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2019/03/16

文科省ってやっぱり○○だった(会計士協会森相談役の回顧録より)

文科省ってやっぱり○○だった(会計士協会森相談役の回顧録より)

 会計・監査ジャーナル 2018年7月号より。

○公認会計士制度70周年特別企画 日本公認会計士協会歴代会長に聞く!!<第1回>森公高相談役

 元会長だった、森相談役のお話を伺うという話ですが。
 なかなか強烈な話が出てきます。

 2001年頃、破綻寸前の学校法人が出てきて、救済合併が議論され。
 その会計処理を検討する段階で、問題が生じたのだと。

 学校法人の計算書類には、基本金という項目があって。
 企業の資本金とは違いますが、一定の制約を生じる規模指標である点は同じと言って良いかもしれません。

 当時、学校法人の合併時は、基本金は全額承継するしかなかったと。
 それでは、吸収側の経営を阻害しますから、受け手が出るわきゃない。

 ところが、学校法人は毀損した基本金をそのまま承継させられる。
 学校法人では、なぜ、このような仕組になっているのかと。

 森氏は、文部科学省の担当部局と折衝したというのですね。

 ちなみに、普通、破綻懸念企業を買収する場合、資本金の承継はしない。
 その点も、文科省の役人に言ったようです。

 これは、株主責任をとらせて、リフレッシュスタートするからですね。
 学校法人の話とはちと違いますが、ご破算にせよは同じってことか。

 で、文科省の役人はなんと言ったか。

 なんと、「学校法人はそういうものではない。国の教育というのは、拡大することがあっても縮小するということはあり得ない」と言われたと。

 私立学校で基本金が減るのは、教育の規模が縮小することで。
 それはあり得ないというのが、文科省の立場だと。

 森相談役は「衝撃的だった」と言ってますけど。
 「○○ちゃうか?」が本心だったのではないでしょうか。

 うん、やっぱり、文科省って○○だったんですね。
 勝手にハードル上げられて、誰も救済合併引受けるわけない。

 森相談役は、その後何度も文科省に出向いて、無理だと説明。
 最終的に、基本金を減額することが可能になったのだと。

 会計を知らない、という話ではなくて。
 ビジネス・経営を余りにも知らなさすぎですね。

 抜本的な改革しないと、ダメなんじゃないかしら。

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