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2019/04/15

明日の日本を予測する技術(長谷川幸洋)

明日の日本を予測する技術(長谷川幸洋)
 
 
 お勧めです。
 amazonの星は当てにならないとの意見ありますが、これは当たり。
 
 昨年3月に中日新聞社を退社した長谷川氏の予測技術のノウハウ本。
 書籍中でも語られるように、各種の予測を的中させているのですね。
 
 政界の動きについて、予測をどのように行ったか、ですが。
 著者自身が言うように、実生活でも役立てる技術だと思います。
 
 2014年11月の衆議院解散の予測を的中させた件ではなんと。
 後で管官房長官から苦笑されつつ、一種の答え合わせを得ている。
 
 では、それは誰かから得た秘密情報で記事を書いたのかというと。
 そうではないのだと。
 
 あくまでも、読みに基づく見通しを開陳しているのだと。
 その際のポイントは、政治家が何を気にしているか
 
 ここを間違っているのが、政治記者なのだという。
 政治家の言動ばかり気にして、何を気にしているか見ていないと。
 
「政局観察に、必ずしも有力な情報源は必要ない。公開情報だけで大方の流れは把握できる。」
 
 そして、政権運営の要諦は、予算編成にあるのだと喝破する。
 予算編成ができない政権は倒れるしかないのだと。
 
 その際、決め手は、税制改正法案と特例公債法案であり。
 ねじれ国会で参議院で可決に持ち込めるかが決定的に重要だと。
 
 なるほどです。
 
 このように、先に、確かな公開事実を得た上で。
 それに基づき、自分なら、でロジカルにシナリオを組む。
 
 そのようなシナリオを元に情報源に当たって取材する。
 この順番が大事なのですね。
 
 これを間違えると、相手に見透かされてしまう。
 誰に聞けば、自分のシナリオを確認できるかも分からない。
 
 仮説検証を徹底することが、取材の基本だということですね。
 すごく納得です。
 
 そして、その際に最重要なのは。
 「動かせない日程と物事を決めるルール」だと。
 
 当たり前のようでも、ロジックで詰めていけば。
 ある程度答えは収束してくる、ということなのでしょうね。
 
 この他、中間派は、いざとなると現状維持を選ぶという話や。
 漸進的に不可逆な選択こそが肝要だという話は、まさに納得。
 
 敢えて言えば、モリカケあたりの話はなくて良かったと思いますが。
 是非、読むべき一冊だと思います。

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