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2019/05/15

現代は再帰性による生き方の見直しが求められる時代(富永京子氏)

現代は再帰性による生き方の見直しが求められる時代(富永京子氏)
 
 なるほどね。
 何か既にあるお手本をなぞれば、幸せになれる時代ではない。
 
働き方のコンパス
正社員を辞めて家族を優先するべき?
朝日新聞 2019.05.09
 
 (略)
 
 現代人は選択したいのではなく、選択に納得したい
 
 (略)
 
 学生時代の望みをかなえ、社会で良しとされる正社員という立場で生きる、自分が生きてきた軌跡を首尾一貫したものにしたい。そうした人間のあり方は、社会学において「再帰性」という言葉を用いて議論されることがあります。
 (略)
 
 さて、ここからは「再帰性」について。再帰性は、社会のレベルでも個人のレベルでも起こることなのですが、ここでは後者について説明しますね。現代は私が体験したように、どこかにとどまって同じ場で生活をするのがきわめて難しい時代です。これは居住地域以外でも同じで、進学をしてそれまでの友だちと離れ離れになることもザラですし、結婚や離婚、転職も珍しくない。流動性の高い社会なんですね。
 
 こうした中で人々は、生き方やキャリアの変化を通じながら、つねに自分のアイデンティティーを見直して、新たな生活の状況に合わせて「選択する」必要がある。この「見直し」が再帰性にあたると考えてもらえればいいと思います。私の話で言うと、どこを出身地として答えるかに悩むことは、何を選べば自分の軌跡として自らが納得するか、というまさに「見直し」の作業です。さらに、あなたの「後悔しない選択がしたい」という願望は、まさにこの再帰性に関わってくるわけです。
 
 価値観が多様化した現代は、自らの心をよりどころとして自分のストーリーを確立し、なによりも自分をそのストーリーで納得させないと生きづらい時代です。
 
 (略)
 
 ギデンズの話は興味深くて、再帰性が一種の生きづらさを生んでいるというのです。つまり現代人は自分の生き方を見直し続け、首尾一貫した人生の物語を形成することがしんどいから、セラピー(この相談もその一種かもしれませんが)を求める。ひどい場合は薬物やアルコールに頼り、依存症になってしまう。
 
 (略)
 
 
 つまり、親が与えたもので、その後ずっと生きていけるって幻想で。
 自分自身が、現実と格闘して、身につけていくしかない時代。
 
 既製品で上手くいっても、せいぜい一定期間で。
 それを過ぎると、不適合問題が生じて、再帰性の話になる。
 
 そこで、自分自身を再構築しないと、不適合が臨界点を突破する。
 そうなる前に、自らを再定義する試みってことなんでしょうね。
 
 でも、それってハードなので、ついつい、現実逃避に陥るし。
 現実に向き合い続けられないことも、しばしばだと。
 
 いや、よく分かりますし、そうだろうなと思います。
 ただ、皆さん、そのハードな現実に向き合えるのだろうかと。
 
 うーん、そこは疑問符ですね。
 
 今までの親たちの世代の育て方が、根本的に間違っている。
 個人的には、そんな気がしてしまいます。
 
 自分で座標系を設定できるような生き方を教育する。
 恐らく、今一番必要なスキルは、それじゃないかなと思います。
 
 もちろん、前提となる素養の話もありますが。
 自分自身、そのあたりを下の世代にいかに伝えていくか、思案中です。

 

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