少数株主である弟から株式を買い取る方法(速報税理)
少数株主である弟から株式を買い取る方法(速報税理)
速報税理2019年5月1日号より。
〇中小企業経営に役立つ会社法務トラブルシューティング 第61回
少数株主である弟から株式を買い取る方法
島村謙(弁護士)
まず、自己株式取得による自社株買いがある。
ただし、総会決議が必要かつ分配可能額がないとダメ。
そこで、財源規制がネックであれば、個人間株式譲渡になる。
ただし、相手が同意しなければ、取引が成立しない。
では、同意を得られない少数株主が相手ならどうなるか。
その場合は、強制的な取得方法であるスクイーズアウトを検討する。
スクイーズアウトは、総会決議を得る方法と。
得ない方法の2つ通りがあると。
まず、総会決議を得る、株式併合で、特別決議による。
少数株主の株式を1株未満の端数にしてしまう。
この端数部分は、裁判所の許可を得て売却代金を少数株主に交付する。
結果、少数株主は会社から追い出されてしまうことになると。
次に、総会決議によらない、特別支配株主の株式等売渡請求。
議決権の9割以上保有している特別支配株主しか使えない手法で。
取締役会の承認決議を得ることが条件となるものの。
ほかの少数株主の株式すべてを強制的に買い取り可能になる。
この2つのスクイーズアウト手法があるものの、ともに問題がある。
手続きの効力、取得対価の相当性が裁判所で争われる可能性があると。
元々、現場では税務評価通達ベースで話が進んでいる場合が多いので。
裁判所で争うと、DCFによる高い評価に落ち着きやすいのだと。
裁判の弁護士費用の負担もあるので。
そうそう簡単ではないと。
結局、制度としてスクイーズアウトがあるけど、使えるかというと。
小規模の株式吸い上げ手法としては、紛争時リスクが見合わない。
そこで、いざとなれば法律上やればこういう手法もあると。
事実を示しつつ、相手を説得するのが、現実的な対処法だろうと。
つまり、現実はゴネ得になりやすいってことなんでしょうね。
まぁ、そんな気がします。
最終的には、株式を分散させた原初の罪が重い。
そのように理解するしかないでしょうね。
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