『帳簿の世界史』翻訳者村井章子氏に聞く(TKC会報)
『帳簿の世界史』翻訳者村井章子氏に聞く(TKC会報)
TKC会報令和元年07月号より。
■オピニオン
『帳簿の世界史』翻訳者村井章子氏に聞く
翻訳とは、著者の思考を深く理解し
平明な日本語で伝えること
掲載誌の意外性もあり、これはなかなか貴重なインタビューです。
なるほどと思ったのは、2カ所。
1つは、ミルトンフリードマンの著書を翻訳した時の話。
「村井 (略) ……私の訳を読んでもらった娘には「意味が分からない文章なら内容が正しいのか間違っているのかも分からないけど、お母さんの訳は意味が分かるので、内容が間違っていたら間違っていたことが分かっちゃうよ」と言われて、なるほどと身が引き締まる思いでした。(P32)」
そうですね。
逃げなければ、こうなるという、あるべき姿。
もう1つは、契約書の翻訳が好きになる契機の話。
「村井 最初にそう感じたのは、実務翻訳の仕事で契約書を訳していた時でした。契約書は専門的な用語も出てきて一見分かりづらいのですが、一つひとつの条項に必ず意図があります。
(略)
それなら訳文はどれも同じ日本語になるかというとそうではなく、同じ契約書を翻訳しても分かりやすいものと分かりにくいものができます。それは結局、文章を日本語にすればいいというものではなくて、契約条項等の背後にある意図をどれだけ汲み取れるかにかかっているからなんです。(略)(P33)」
はっきり言えば、文章を読んでいて、違和感で立ち止まれるか。
そこが勝負なんだと思います。
文章をなんとなく読んでしまって、流してしまう人には。
こういう話って、なかなか伝わらない気がします。
「帳簿の世界史」そのもののエピソードの話もありますね。
そうか、原題は、最後の審判の日の意味もあったのか。
確か、以前読みかけて、そのままになっている本ですが。
機会あれば、また読んでみたいかな。
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