受益者連続信託の活用と注意点(銀行法務21)その2 金融機関の実務上の注意点 民事信託が無効となる可能性について
受益者連続信託の活用と注意点(銀行法務21)その2 金融機関の実務上の注意点 民事信託が無効となる可能性について
銀行法務21no.844 2019年7月号より。
○今月の解説
受益者連続信託の活用と注意点
東京地裁平成30年9月12日判決を踏まえて
笹川豪介(弁護士)
続きで、金融機関の実務上の注意点について。
まず、受託者名義の口座開設で、民事信託が無効となる可能性を検討せよと。
契約締結時の意思能力喪失の有無や、信託が公序良俗違反となること。
あるいは、訴訟信託や詐害信託に該当する可能性はどうか。
その上で、有効性に争いがあると、金融機関がトラブルに巻き込まれ。
更に、受託者死亡時に、誰と取引をすべきか、手続はどうなるかなどの問題が生じると。
委託者の意思能力については、契約締結を公正証書で行うことを求める。
公証人が意思能力の有無を確認してくれるので、外形事実が確認できる。
信託の公序良俗違反は、判断が難しいのは事実であるが。
信託目的や、信託財産・受益権の実質的な承継比率をみて懸念がないか確認することも、一定程度可能であろうと。
「まずは、通常の民事信託では見られないような信託財産、信託契約の条項があるかどうかという観点で確認するとよいであろう。」
確かに、これは、ある程度言えるのかもしれませんね。
続きます。
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