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2019/09/17

お母さんは勉強を教えないで(見尾 三保子)

お母さんは勉強を教えないで(見尾 三保子)
 
 最近、ある本を読んで、この本を思い出しました。
 すると、Kindleで買えることを発見。
 
 原著は、草思社で、以下は、約17年前に書いたもの。
 その際書いたサイトがもう閉鎖されて読めないので、再掲。
 
 是非、Kindle本ご一読を。
 今でも通用するというか、今こそこの警告が実現した時代だと思うので。
 
===以下、17年前書いたものを再掲=================
 
2002/11/25 :お母さんは勉強を教えないで
 
「お母さんは勉強を教えないで」
見尾三保子
草思社
2002年10月22日 第1刷発行
最近、職場のパートで5年ほど勤めてくれた女性が転職していった。
彼女は小学生のお子さんの勉強を毎日つきっきりで見てあげているらしい。
「塾に行かせてないので・・・」
 
小さい頃から、定型教材反復主義の塾へ通わせるよりは、時折母親が勉強を見てやるってのはいいかと思うのだが、あんまりつきっきりで面倒見るってのはよくないんじゃないかなとその時思った。
 
であるから、この書名を見た時に衝動的に本をレジに運んでいたのであった(苦笑)。
 
著者は学習塾の主催者で、40年間小学校低学年から大学受験生までを教えてきたという(もう以前の塾生の子供たちが通ってきているのだとか)。
 
本の横帯の一部を参照すると、
 
「『やり方』だけ覚えて意味を考えない子が増えた現状を警告し、子どもは『実感的に理解』してこそ意欲をもつのだと説く。」
 
「自ら実践してきた『引き出し』教育の成果を具体的に紹介する。」
 
私がここでこの本を紹介する意義はもうこれだけで薄々おわかりだろう。
 
しかしできればこの本を手にとって、第1章「意味を考えない子どもたち」で紹介されている実例の恐ろしさを実感してほしい。
 
詰め込み型英才教育に走った結果、5桁の足し算・引き算のような高度な問題は解けても、「100より2つ小さい数はいくつ?」にすら答えられない、本質を何も理解できなくなった子どもの母親に著者は、
 
「算数は、頭を能率のよい電卓にすることではないんですよ」
 
と言うが、このような例は、
 
「教育熱心な母親の思いちがいとして、近年、非常によく見られるケース
である。」
 
とまで言う。
 
コンピューターの発達した現代で、親も学校も塾も教育方針を変えてこなかったことを鑑みれば、このような症例の発生率が高くなっていることは、ある意味必然である。
 
いかに最適なマン・マシンシステムの協業体制を作るかという意識があれば、電卓頭の子どもを量産することの恐ろしさは十分予測できた筈である。
(しかも今や100円ショップで電卓が買える時代なのである)
 
小松左京が60年代以降警告してきたことを「豊かなニッポン」の中で我々はあまりにも疎かにしてきたのではないだろうか。
今からでも間に合うのかどうかはわからないが、せめてこれから子供を育ていく人達には同じ轍を踏まずに行ってほしいと願う。
 
====ここまで再掲です================

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