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2019/09/20

AIは先生に取って代われるか[新井紀子](産経新聞)

AIは先生に取って代われるか[新井紀子](産経新聞)
 
 以前書いていたのですが、ブログに入れ忘れていました。
 産経新聞の正論からですが、非常にスッキリしたお話が。
 
 ネットで全文読むには、読者登録が必要です。
 私は、紙の新聞で最初読みましたけれど。
 
 筆者が、記者から質問を受ける。
 
「あと数年したら、人間の先生に代わって授業をするAIは登場しますか?」
 と。
 
 筆者が、
 
 「そんなことは起こらない。現在のAIは意味を理解できないから」
 
 と答えると、更に記者は食い下がって質問を続けたという。
 
 途中やりとりを省いて、核心部を引用すると。
 
 ある特徴をもつソフトウエア群を私たちは「AI」と呼んでいる。確率と統計を用いるソフトウエアだ。言い換えれば、確率と統計を用いれば、それが掃除機だろうが、喋(しゃべ)る家電だろうが、何でも「AI」と呼ばれる。しかし、「友達になってくれませんか」と呼びかけると「最初の日から友達でしたよ」と優しく返事をしてくれるシリにもペッパーくんにも残念ながら知能はない。全くない。
 
 確率と統計で、結果を出すことは、絶対的に得意なわけですね。
 しかし、意味を導くことは、現時点でできない。
 
「しかも現在の技術ではこの問題を根本的に解決できる見込みがない。冒頭に書いたように現在のAIは意味を全く理解できないからだ。」
 
 では、更に、ビッグデータで解決が付くのではないか、と記者が。
 (この記者、なかなか根性すごい)
 
 しかし、
 
「中国にもシリコンバレーにも、AIに意味を理解させる見込みがない」
 
 のだと。
 
 ここで、筆者は、問題の本質を語る。
 
「ソフトウエアにすぎないAIは徹頭徹尾数学だけでできている。しかし、数千年の歴史を経ても、いまだ数学は「意味」を本質的に扱えていないのだ。」
 私の勝手な想像を語ると。
 今のAIは、相関関係を提示できるだけなのだと思います。
 
 ビッグデータの結果、こうなることが多い。
 結果がどこに収束していくかを見極める。
 
 そのような領域では、既に、人間は全く追いつけない存在。
 それが、AIなのでしょう。
 
 しかし、相関関係ではなく、因果律を導くことについては。
 AIは、現状できないのだと思います。
 
 人間が仮説を与えて、それを検証することはできても。
 では、別の仮説を推論するまでは、まだできない。
 
 このあたり、是非。小松左京の「虚無回廊」を読んで欲しいですね。
 AIの行く末の遠い未来から、現在を考える一助になる筈です。
 

 

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