法務担当者のための契約実務ハンドブック
法務担当者のための契約実務ハンドブック
改正債権法施行が、来年4月に近づいてきて。
契約書の見直し関係の本も増えてきましたけれど。
改正点の講釈が延々続いた後に、ちょろっと説明とか。
なんか全部読まないと使えないような作りの本が多く。
うーんと思っていたのですけれど。
この本なら、要点を抑えるのに使えそうです。
雰囲気は、こんな感じです。
△
第6章 請負・委任・雇用その他の労務提供契約
1 請負
(2)報酬に関する定めをどうすべきか
Q2 民法改正を受け、現行の請負契約書のうち、請負人の報酬に関する条項は改める必要があるでしょうか。
A 割合的報酬請求の内容を明確にするよう改めた方がよいでしょう。
○想定条項
請負人が仕事の目的物を完成させる前に請負契約が終了した場合には、注文者は、その利益を受ける限度において請負人に対し、報酬を支払う。
(略)
これは、改正前民法下の判例法理を明文化したものであり、民法の規律に実質的変更はありません。たとえば、
注文者は、請負人が仕事をすべて完成し、その引渡しを受けたときは、請負人に対し、報酬○○円を支払う。
といった契約条項しかない場合であっても、改正民法施行日前後ともに割合的報酬を支払う必要があるということです。もっとも、権利義務関係を明確化すべく、今後は想定条項のような契約条項を設けるのが望ましいでしょう。その際、割合的報酬の算定方式を合意しておくと、紛争予防につながると考えられます。
▽
もちろん、ハンドブックの名前の通りで。
これだけで足りる本じゃないでしょうけど。
例えば、上記でも、どういう場合が、該当するのか。
それは何も書いていないわけですね。
ではどこで確認できるかというと。
「新注釈民法」を読め、ってことになるのでしょう。
すると、可分性と利益性というメルクマールの判定によるのだと。
大審院判例などを確認していくことになるわけですけれど。
このあたり、地味に大事な作業でしょうね。
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