ケーキの切れない非行少年たち(宮口幸治)
ケーキの切れない非行少年たち(宮口幸治)
ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書) 新書
宮口幸治 (著)
ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書) Kindle版
宮口幸治 (著)
実は、タイトル意味不明で暫く買いませんでした。
しかし、なんとなくで購入してみたのですが。
これが大正解。
まさに今読むべき本、という感じでした。
ただ、タイトルが残念であることからも分かるように。
表現が過激というか、変な人達につけ込まれる言い回しが多数。
このあたり、もう少し、出版社・編集者がなんとかできなかったか。
いや、今の時代の出版社・編集者にそれを求めるのは酷か。
で、本題ですが、何を言っているのかというと。
要するに、生活能力としての理解力不足の表現なのですね。
ざっくり言えば、非行の根本には、認知機能の問題があると。
それが、歪んだ思考を生み出している例が多いと。
基本的な、見る力、聞く力自体が極度に弱いことすらある。
この場合、世界は全て歪んで見えていてもおかしくない。
また、聞く力が弱ければ、言われても聞き取れていない。
あるいは、歪んで聞こえている可能性が高いと。
そして、世の中がよくあるように非行少年達に原因を尋ねても。
難しすぎて答えられないという子達が相当数いたと。
なので、何故とか、被害者にどう思っているかとか。
聞いても、更生には、あまり役立たないのだと。
先の話から、薄々想像できてくるが、基本能力が欠如しており。
簡単な足し算引き算はできない、漢字は読めない。
更に、簡単な図形を写すこともできなければ。
短い文章を復唱することもできないのだと。
そして、これらが対人関係の失敗に繋がり、イジメを招き。
非行の原因になっていることが、見えてきたのだと。
これって、非行少年少女に限りませんね。
ようやく、ここで先日紹介した17年前読んだ本の内容に繋がる。
お母さんは勉強を教えないで PHP文庫 Kindle版
見尾 三保子 (著)
この本では、小3女子で、分数習っていないのに。
約分・通分・分数の加減乗除ができる子が登場する。
そして、その子に3分の1ってどういうことかと聞くと。
何のことかわからないのだと。
難しい問題が解けるから、わかっているのだと親や教師は思う。
しかし、実際には、まったく意味が分かっていないのである。
うすうすお分かりだろう。
「ケーキの切れない非行少年たち」の「ケーキを切れない」とは。
まさに、一人当たりに分けたら、いくらになるかがわからないの意味なのだ。
原題が悪すぎて、何のことかわからない書名になってしまっているが。
実は、この2冊は世界観が、根っこで繋がっているとみてよい。
正直、書き方に難があり、突っ込まれるだろうなという箇所も多い。
それでも、まさに今この本を読むべきだろうと思います。
特に子を持つ親であれば、是非一読を。
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