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2019/11/06

若手法律家のための民事尋問戦略(中村真)その2 陳述書・尋問の手控えの作成

若手法律家のための民事尋問戦略(中村真)その2 陳述書・尋問の手控えの作成

若手法律家のための民事尋問戦略
中村真 学陽書房 2019年10月16日初版発行

 陳述書の出すタイミングやどこまで書くかも、勉強になります(P68-)。
 特に、ひととおりの事実を書いておけというのは、へーでした。

 もちろん、どうでも良いことでなく、法律家にとってのひととおりで。
 争点整理を踏まえた範囲に留める必要があるという前提ですが(P72)。

 書いておかず、主尋問でいきなり登場した話の場合には。
 後付臭くなり、信ぴょう性が薄れるのだというのですね。

 実際に、信用性を否定した判決も少なくないと。
 なるほどです。

 また、時系列に沿って事実を記載というのは、基本ですが大事でしょうね(P73)。
 時系列一覧表の作成については、例示とともに説明されています(P105-109)。

 表計算ソフトを使って、日付・事実・証拠を並べていくと。
 当事者間で争いのある事実は、その旨も入れておくのですね(P109)。

 そして、尋問の手控えで、質問事項を列挙されたものを作成しておけとも(P95-)。
 忘れないようにもあるが、証人等が答えやすいかを意識して準備せよと(P96)。

 想定質問と回答を列挙し、適切な順番に並べ替え、不要な質問・表現を削除。
 その上で、証拠や資料を示すべき時点で注を入れよと(P98)。

 なるほど、時系列を意識して、ストーリーを頭に浮かべてという話でしょうね。
 このあたりの準備作業を怠ると、後でてきめん痛い目を見るのは何でも同じか。

 なお、この本の多くは、昔ボス弁に教わったことなのだそうですが。
 「陳述書に小見出しは打つな」(P265)は、本文中になかった気がするので、ちょっと説明補充が欲しかったりします。

 続きます。

 

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