十字軍による富の収奪と信託(「金融機関のための民事信託の実務と法務」渋谷陽一郎)
十字軍による富の収奪と信託(「金融機関のための民事信託の実務と法務」渋谷陽一郎)
○金融機関のための民事信託の実務と法務 第22回 完
民事信託の昨日と明日
渋谷陽一郎
(金融法務事情2019年12月10日号)
業界に激震もとい刺激を与える渋谷先生の連載も、今回で終わりなのですね。
ただ、まとめて書籍として発刊するそうですが、楽しみでしょうか。
で、流石最終回で、今回、なかなか刺激的なお言葉が並びます。
「現在日本の家族信託も「高齢者の幸福な生活」の美名のもと、 「遺産先取り」や「財産の囲い込み」など、十字軍が演じた富の略奪的な弊害を生じるおそれはないか。家族信託をイメージするキャッチフレーズとしては不吉な言葉だ。」(P63)
次も、なかなかでしょう。
「また、一部の司法書士が果敢に家族信託の実用化の崖を投げ、ルビコン川を渡ったのは、家族信託のリスクに対する不感症が潜んでいた可能性もあるが、当時、実用化は難しいとする弁護士等関係者が多く、一種の蛮勇を要した側面がある。」(P64)
いやー「不感症」って、司法書士じゃなくて、税理士に言うべきかとも思いますが。
それはさておき。
「現在、家族信託支援のビジネス化が進行し、家族信託契約書の自動作成ソフトやクラウド等も登場しつつある。しかし、現段階では、その内容が、ソフト等の制作を支援した士業者の個人的見解にすぎず、むしろ、かような個人的見解それ自体がリスクとなる陥穿を生じている(無自覚のままリスクを拡散しないか)。拙速を避け、急がば回れの姿勢がほしい。」(P65)
キット販売している某社の方には、きっと耳が痛い言葉でしょうねぇ……。
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