「立証責任の父」の最大の誤り(ゼロからマスターする要件事実)
「立証責任の父」の最大の誤り(ゼロからマスターする要件事実)
月刊「税理」2020年4月号より。
○ゼロからマスターする要件事実 第52回
「立証責任の父」の最大の誤り
岡口基一(仙台高裁判事)
タイトルにある「立証責任の父」たるローゼンベルグの話ですが。
要件事実論関係で、倉田判事が依拠したという話は以前も出ていました。
ローゼンベルグは、法的三段論法を前提として。
その事実の存否不明な場合には、法的三段論法が完成しないので。
その法規が適用されない結果、請求権が発生しないとの。
法規不適用説を唱えていたのだと。
そして、この説に従うのであれば。
別途証明責任規範を作成しておく必要性はないことになる。
ふーん。
素人感覚で言ってしまいますと。
実体法と訴訟法が未分化な状態であればわかりますが。
現在のようにそうでない場合であっても、通る理屈なのでしょうか。
ただ、民訴学者でも、伊藤眞教授は、この説を支持していると。
具体的にどのようにというのまでわかりませんが、支持者いるのは驚き。
で、やはり、高橋宏志教授や新堂幸司教授は支持していないと。
うん、なんかそりゃそうでしょうね、という感じ。
法規不適用説がおかしいだろうという著者の結論には賛意ですが。
判断過程の記述は、トートロジーっぽくて、正直意味不明。
で、なんでこの話を出したかというと、おかしくても通説だった時期があり。
相応の理由があったから、というのを次回説明するというのですね。
なんか、前置きが長くて、話が分かりづらいのが著者の悪い癖かな。
と言ったら怒られるかもしれませんが、最近その傾向が強まって感じられます。
親切のつもりで復習を入れているのでしょうが、かえって核心が見えにくい。
結局、何が言いたいんだろうか、つかみにくい文章になっています。
いや、私以外にも連載読んでいる人はいるでしょうから。
是非感想を聞いてみたいのですが。
無条件に賛美する人がネットには多いので、よくわかりません。
自分で咀嚼せずに、無難なツイートばかりしている人とか、典型ですね。
間違っていても、自分の意見を言え。
というのが、私が恩師に教えられたことですので。
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