今まさに読むべき「新ネットワーク思考」
今まさに読むべき「新ネットワーク思考」
「新ネットワーク思考一一世界のしくみを読み解く」
アルバートーラズロ・バラバシ
青木薫訳
日本放送出版協会 2002(平成14)年12月20日第1刷発行
この本の素晴らしさは過去に語った通りですが。
未だに訳書がKindleになっていないのは、本当に損失ですよね。
以下が、今まさに読むべきだろうと思う部分。
「彼のケースは、感染症の広がり方に関する古典的モデルではうまく説明できない恐るべき例であり、移動手段が高度に発達し、相互連結された社会においてハブがもちうる威力の証拠でもある。実際、一ことウイルスや感染症に関しては、ハブの存在はまさに死活問題になりうるのだ。」(P180)
「社会科学者や疫学者は「閾値モデル」という非常に役立つ道具を作った。」(P189)
「しかし拡散速度だけで新製品の運命を決めることはできない。運命を知るためには、その新製品を広めるネットワークごとの「臨界値」がわからなければならない。拡散速度が臨界値よりも小さければ、その商品はまもなく姿を消すだろう。一方、拡散速度が臨界値よりも大きければ、その商品を購入する人は指数関数的に増え、やがてすべての人に行き渡るだろう。流行やウイルスが広がるためには、この臨界値を超えることが必要条件なのだ。この事実が明らかになったことは、伝染や拡散を理解するうえでの概念的進歩としてはおそらく最大のものである。今日では、どんな拡散理論にも臨界値が組み込まれている。」(P190)
「われわれの研究から明らかなように、ハブはこうしたプロセスのなかで格別に重要な役割を果たしている。そしてこの事実から、大胆かつ残酷なひとつの解決策が示唆されるのである。それは、資金に限りがあるのであれば、まずはハブを優先的に治療せよというものだ。つまり、たとえ治療方法があっても、それを必要とする人すべてに行き渡らせることができないのならば、ハブを優先的に治療すべきだということだ」(P201)
「どんな場合であれ、選択的方針には必ず深刻な倫理的問題がついてまわる。」(P202)
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