改正債権法の施行に寄せて[潮見佳男](金融法務事情)
改正債権法の施行に寄せて[潮見佳男](金融法務事情)
金融法務事情2020年03月25日号(No.2134)より。
○OPINI論
改正債権法の施行に寄せて
潮見佳男(京都大学大学院法学研究科教授)
規定の解釈や実務運用も確かに大事ではあるけれど。
実務家には、「かつて債権法改正に向けたインセンティブとなった事柄を確認しておくこと」が重要な意味を持つのだと。
今回の改正は、基本的な内容で法制審議会で一致をみることなく。
結果、解釈に委ねられた部分が少なくないと。
また、新登場した概念もあるが、その意味と射程について。
やはり、今後の解釈に委ねられた部分が少なくないと
改正前の民法における判例でも、射程が不透明なものが少なくない。
実務家に不安を生じさせているのは、これらのわかりにくさ故だと。
しかし、多くの規定は任意法規なので、不安があるならあば。
自分たちにあう契約規範を創造することもできるだろうし。
概念を定義して、契約書に残すということもできるのであるから。
紛争の事前予防という面から、努力を惜しむべきではないと。
なにか、特別なことが書いてあるわけではありませんが。
当然のことを、当然の警句として述べていることにはそれなりの重みがある。
そのように理解すべきなのでしょうね、恐らくは。
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