特定財産承継遺言と遺言執行者の財産目録作成義務[潮見佳男](月報司法書士2020年2月号(no.576))
特定財産承継遺言と遺言執行者の財産目録作成義務[潮見佳男](月報司法書士2020年2月号(no.576))
月報司法書士2020年2月号(no.576))より。
○特定財産承継遺言と遺言執行者の財産目録作成義務
潮見佳男(京都大学大学院法学研究科教授)
特定財産承継遺言で遺言執行者の定めがあある場合において。
遺言執行者には、その財産についての目録作成義務があるかと。
改正民法1014条を見れば、遺言執行者には目録作成義務ありと。
解するのが妥当だが、そもそもどうしてこういう疑問が出るのか。
それは、過去に家裁の審判例があって、それが先例的な機能を果たしていたから。
名古屋家裁平成7年10月3日審判例が、義務なしと説示していたと。
しかし、家裁審判は最高裁判例と違い、判例扱いされるべきものではない筈だ。
だとすると、この点は再考すべき状況かもしれないと。
かなり、気を遣った表現ですが。
要するに、何で家裁審判例を神棚に祭っているの、おかしいじゃん、ですね。
で、この審判例を念頭に、遺言執行者が目録作成しなかった場合に。
信じて行動したことに合理的理由が見いだせれば、善管注意義務違反はないが。
相続法改正への理解が広まると、そういうことは言えなくなるだろうと。
要は、早いところ、間違った現場理解を転換しないと怪我するよ、なんでしょうね。
いや、司法書士さん向けなので、現状どういうのが現場通説か知らないのですが。
せっかく巻頭言での注意喚起なので、活かした方がいいんでしょうね。
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