ゴールドマン・サックス流 女性社員の育て方、教えます(キャシー 松井)
ゴールドマン・サックス流 女性社員の育て方、教えます(キャシー 松井)
ゴールドマン・サックス流 女性社員の育て方、教えます
励まし方、評価方法、伝え方 10ケ条
キャシー 松井
中央公論新社 2020年7月10日発行
中公新書ラクレの1冊。
残念ながら、Kindle版がないので、紙の書籍を購入。
この本で、「そうなんだ!」と思ったのが、女性が昇進を躊躇する傾向について。
日本だけの話じゃないんですね、ちょっとビックリ。
慎重さという特質は、どうやら世界中の女性に共通しているらしい。
だから、男性より少し多めに励ましましょう、と。
そして、著者は、更に踏み込みます。
女性の迷いや事情を察して、企業側が女性たちを挑戦から遠ざけるのは間違いだと。
自分はこの会社にいなくてはならない存在だ。
期待されているという自信を持たせることが大事だと。
逆に、女性たちの事情を忖度して配慮する姿勢は「間違い」なのだと。
そして、女性たちを会社に引き留めるネットワーク、セーフティネットを作るべきだと。
公式な組織だけでは、女性たちの本当の悩みを相談できる場が持てないというのは。
なかなか、男性だと気が付けない、あるいは言えない言葉で、流石って感じです。
ここまででも、なるほど、でしたけれど、更に踏み込むのが第4条以下。
多くの女性は、男性より自己PRが苦手で、これは全世界的な現象であると。
著者によれば、男性は、細々としたことまで、顧客評価フィードバックを全部報告してくるけれど。
女性は、よほどのことがないと、そこまで自己主張するのに慣れていないのだと。
だから、女性側も積極的に意思表示すべきだし、企業側も勝手に忖度すべきではなく。
本人の意思確認をきちんとすべきだと。
これを受けて、第5条ではメンターをつけようという話、第6条ではスポンサーをつけようと。
女性を支援していくことが、中長期の企業発展に繋がるという思想なんでしょうね、肯定します。
ある程度の規模がある企業であれば、真剣に考えるべき提言でしょう。
小規模事業者だと、そのままは、なかなか難しいですが、いろいろ考えさせられます。
なお、第7条ロールモデルをつくりましょうは、そうだよなと思います。
モチベーションを切らさないように、というにも納得。
ただ、ゴールドマン・サックスは組織が業績評価見えやすいというのは、かなり有利だよなとも思いますが。
そのあたりを割り引いても、この本は読む価値ありでしょうね。
問題は、一番読むべき層では、この本に書いてある言葉が素通りしそうなこと。
それでも、人不足に悩んでいる中堅企業の経営者に、是非読んでほしい一冊ですね。
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