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2020/10/05

サラリーマンかフリーランスか_山田寛英

サラリーマンかフリーランスか_山田寛英

サラリーマンかフリーランスか
-どちらが得だった?
山田寛英 中央経済社 2020年9月15日第1版第1刷発行
https://www.amazon.co.jp//dp/4502362913/

 著者は公認会計士・税理士で、4月から書き始めて、6月に書き上げたのだとか。
 タイトルを見ると、なんとなく、サラリーマン向けなのかと思いましたが。

 読んでいるうちに、就職を考え始めた大学生に読ませるべき本なのかなと。
 いや、帯にも「大学や専門学校を卒業する方」が想定読者だと表示されていましたが。

 大学の先輩でコンサルやっている渋沢さんに、後輩でサラリーマンの野口くんが教わる体。
 この野口くんが、読んでいて腹立つくらいに、自分勝手なんですよね。

 いや、これでフリーランスを最後選んだら、この本投げ捨てるなと思いつつ読んで。
 最後は予想通り、サラリーマンにステイすることになるようで、そうだよなと。

 さて、タイトルどおり、どちらが得なのかというのは、誰しも考えるのでしょうね。
 ただ、普遍的な答えは出ないので、著者流の答え、ということになる。

 うん、これはこれで、社会を知らない人間への説明としてはありなのでしょうね。
 先にも書いたように、野口くんが○○過ぎて、途中読むのに我慢が要りましたが。

 でも、それは自分が社会の実感を持っているから思うことであって。
 案外、著者に近い、若い世代向けにはこれでいいのかもしれない。

 なので、大学生が将来を考えだしたところで読んでみては、というのアリかと。
 私も姪っ子の就職が決まってなければ、読ませてみたかもなと思いました。

 ただ、2点ほど、どうにも違和感ある部分がありました。

 1つめは、申告書住民税欄記載で、副業がバレないという話(P70以下)。
 自分で納付つまり普通徴収にすれば、バレないと伝授しているわけですが。

 これ、もう過去の話なんですよね。
 地方自治体次第で、関係なく通知してくるという話もあるし、他にもあり。

 ということで、この本の改訂版とか出すことあれば。
 このあたりは、今の情報にアップデートしてほしいところ。

 2つめは、最初に契約書を交わしておけという話(P138以下)。
 更に、契約書は、前の職場で使っていたものを参考で自分で作れという話

 このあたりは、業種によると思います。
 契約書と言い出したら商売できないケースもある。

 また、世の中で流通している契約書には、いい加減なものも多いので。
 中身わからなくてもいいから、というのはちょっと乱暴。

 ただ、契約書がないせいで、弱いものイジメされるフリーランスもいるわけで。
 ここらは、見ている顧客層の違いかもしれませんが。

 ということで、ちょっと文句が多くなったかもしれませんが。

 普段語りにくい本音を、先輩から後輩というスタイルで語っている本書は。
 これから社会に出ようとする人たちには、一読の価値があるのかもしれませんね。

 個人的には、星3というところでした。

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