サラリーマンかフリーランスか_山田寛英
サラリーマンかフリーランスか_山田寛英
サラリーマンかフリーランスか
-どちらが得だった?
山田寛英 中央経済社 2020年9月15日第1版第1刷発行
https://www.amazon.co.jp//dp/4502362913/
著者は公認会計士・税理士で、4月から書き始めて、6月に書き上げたのだとか。
タイトルを見ると、なんとなく、サラリーマン向けなのかと思いましたが。
読んでいるうちに、就職を考え始めた大学生に読ませるべき本なのかなと。
いや、帯にも「大学や専門学校を卒業する方」が想定読者だと表示されていましたが。
大学の先輩でコンサルやっている渋沢さんに、後輩でサラリーマンの野口くんが教わる体。
この野口くんが、読んでいて腹立つくらいに、自分勝手なんですよね。
いや、これでフリーランスを最後選んだら、この本投げ捨てるなと思いつつ読んで。
最後は予想通り、サラリーマンにステイすることになるようで、そうだよなと。
さて、タイトルどおり、どちらが得なのかというのは、誰しも考えるのでしょうね。
ただ、普遍的な答えは出ないので、著者流の答え、ということになる。
うん、これはこれで、社会を知らない人間への説明としてはありなのでしょうね。
先にも書いたように、野口くんが○○過ぎて、途中読むのに我慢が要りましたが。
でも、それは自分が社会の実感を持っているから思うことであって。
案外、著者に近い、若い世代向けにはこれでいいのかもしれない。
なので、大学生が将来を考えだしたところで読んでみては、というのアリかと。
私も姪っ子の就職が決まってなければ、読ませてみたかもなと思いました。
ただ、2点ほど、どうにも違和感ある部分がありました。
1つめは、申告書住民税欄記載で、副業がバレないという話(P70以下)。
自分で納付つまり普通徴収にすれば、バレないと伝授しているわけですが。
これ、もう過去の話なんですよね。
地方自治体次第で、関係なく通知してくるという話もあるし、他にもあり。
ということで、この本の改訂版とか出すことあれば。
このあたりは、今の情報にアップデートしてほしいところ。
2つめは、最初に契約書を交わしておけという話(P138以下)。
更に、契約書は、前の職場で使っていたものを参考で自分で作れという話
このあたりは、業種によると思います。
契約書と言い出したら商売できないケースもある。
また、世の中で流通している契約書には、いい加減なものも多いので。
中身わからなくてもいいから、というのはちょっと乱暴。
ただ、契約書がないせいで、弱いものイジメされるフリーランスもいるわけで。
ここらは、見ている顧客層の違いかもしれませんが。
ということで、ちょっと文句が多くなったかもしれませんが。
普段語りにくい本音を、先輩から後輩というスタイルで語っている本書は。
これから社会に出ようとする人たちには、一読の価値があるのかもしれませんね。
個人的には、星3というところでした。
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