ツイッタースクショによる発信者情報開示請求事件_東京地判令和3年12月10日
ツイッタースクショによる発信者情報開示請求事件_東京地判令和3年12月10日
東京地判令和3年12月10日 令和3年(ワ)第15819号 発信者情報開示請求事件
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/826/090826_hanrei.pdf
私はツイッターやりませんが、ツイッターやる人はいろいろ気になるでしょうね。
さて、この事件は、著作権侵害の有無が問題になっていますが。
それは、直接、著作権侵害による損害賠償請求のためではないのですね。
あくまでも、プロバイダ責任制限法4条1項の要件を満たすかが問われている。
被告が、株式会社NTTドコモであることに注目する必要がある。
事件名通り、発信者情報開示請求が可能かどうかが問われた事件。
スクショ引用で、即、著作権侵害損賠だ、ではない点に注意が必要。
一応、正当な理由部分中で、それを前提にしているという書き方が読み取れますが。
損賠請求事件なら、またレベルが違う判断もあり得ると海老澤弁護士のコメント。
参考)
海老澤美幸 ebisawa_miyuki@ebisawa_miyuki
午後0:37 2021年12月31日 Twitter Web App
https://twitter.com/ebisawa_miyuki/status/1476759291185045511
そして、その著作権侵害の判断も、マジかというものですね。
まず、著作権かどうかという点について。
「上記認定事実によれば,原告投稿2は,140文字以内という文字数制限の中,意見が合わない他のユーザーに対して,短い文の連続によりその意見を明確に修正した上,高圧的な表現で同人を罵倒するものであり,その構成には作者である原告の工夫が見られ,また,表現内容においても作者である原告の個性が現れているということができる。」
「上記認定事実によれば,原告投稿3は,140文字以内という文字数制限の中,かつてツイッター上で特定のユーザーとトラブルとなった経緯のほか,その後,当該ユーザーの政治的主張が採用されなかったこと,当該ユーザーが大学入試に失敗したことを端的に紹介した上で,当該ユーザーが不幸に見舞われたことを「ざまあ」の三文字で嘲笑するものであり,その構成には作者である原告の工夫が見られ,また,表現内容においても作者である原告の個性が現れているということができる。」
「上記認定事実によれば,原告投稿4は,140文字という文字数制限の中,原告に訴訟を提起されたにもかかわらず危機感がないと思われる特定のユーザーの状況等につき,「アナタ」,「アウト」,「バカ」,「自業自得」という簡潔な表現をリズム良く使用して嘲笑するものであり,その構成には作者である原告の工夫が見られ,また,表現内容においても作者である原告の個性が現れているということができる。
」
いや、原告あるいはその個性・工夫をディスってるんですか、これ……。
なんか、絶対に嬉しくない類の肯定ですな……。
で、著作権法32条1項の引用となり得るかどうかについて。
ツイッターの規約を引いて、規約では、引用ツイートによるべしとしていると。
しかし、スクショによる掲載は、この規約に反している。
よって、公正慣行に合致しないだろうと。
また、ウエートの問題からも目的上正当な範囲内といえないと。
被告は引用の可能性を主張するが、具体的な主張立証ないよねと。
結果、著作権法の定める引用には該当しないと。
控訴審以後ではロジックどうなるかなど、いろいろ今後注目ですね。
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