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2022/04/27

監査論のリスクアプローチは教育に有用

監査論のリスクアプローチは教育に有用

 最近見かけたtwitterまとめのtogetter記事。

togetter 2022年4月8日
理解力が低い方は「理解しない」のでなく、「理解力の範囲で理解」する → 表面的な理解に留まったり、曲解に疑問を持たずに止まる。
https://togetter.com/li/1870072

 確かに。

 で、教える際に腐心することは、彼や彼女が間違うのはどこかという見極めですね。
 この意味で、ここ四半期ほどで通説化した筈の監査におけるリスクアプローチの考え方はとても有用です。

 まずは「どこでどのように間違えるのか」を把握する。
 そのために、walk-throughつまり一連の内部統制の流れを追いかける作業を実施する。

 その上で、実在性・正確性・網羅性などの監査要点を意識しつつ。
 2つの視点で、間違い・不正の発生可能性について具体的列挙を行っていく。

 「間違いを発見する仕組みはあるか」(detection control)
 「間違いを防止する仕組みはあるか」(prevention control)

 それまで、監査論は面白くない、無意味だと言われることが多かったのですが、リスクアプローチは当時斬新でした。
 私は、このリスクアプローチの啓蒙期に出会えてラッキーだったです。うん。

 監査論というよりも、これは教育面で役立つなと感じたのは、監査を離れてからでした。
 教える側が、教わる側の誤解がどうやって生じるか意識しない限り、この誤解は発見されませんから。

 あるいは、繰り返し生じてしまい、最後は、教わる側の能力のせいにするしかなくなる。
 もちろん、それがゼロという気はないのですが、多くはその手前の作業不足だと実感します。

 そして、そのためには、自分が教える内容を、自分で検証してみることが大事です。
 実は論理的に繋がっていない説明を堂々と教える「学問」「実務」て、結構多いので。

 それを聞く側が分からないのって、ある意味当然です。
 自分が正しい、だからわからないのは相手が悪い、という教師は、最悪の教師なのでしょう。

 で、蛇足ですが。

 教える側が熱意を持っていても、相手が応えてくれるかどうか。
 あるいは相性の問題もあるので、教える側が全て悪いというつもりはありません。

 実際、世の中にはめぐり合わせというのもありますから。
 ただ、そこまで網羅して語る暇あるほどには、人生長くないんですよね。

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