監査論のリスクアプローチは教育に有用
監査論のリスクアプローチは教育に有用
最近見かけたtwitterまとめのtogetter記事。
togetter 2022年4月8日
理解力が低い方は「理解しない」のでなく、「理解力の範囲で理解」する → 表面的な理解に留まったり、曲解に疑問を持たずに止まる。
https://togetter.com/li/1870072
確かに。
で、教える際に腐心することは、彼や彼女が間違うのはどこかという見極めですね。
この意味で、ここ四半期ほどで通説化した筈の監査におけるリスクアプローチの考え方はとても有用です。
まずは「どこでどのように間違えるのか」を把握する。
そのために、walk-throughつまり一連の内部統制の流れを追いかける作業を実施する。
その上で、実在性・正確性・網羅性などの監査要点を意識しつつ。
2つの視点で、間違い・不正の発生可能性について具体的列挙を行っていく。
「間違いを発見する仕組みはあるか」(detection control)
「間違いを防止する仕組みはあるか」(prevention control)
それまで、監査論は面白くない、無意味だと言われることが多かったのですが、リスクアプローチは当時斬新でした。
私は、このリスクアプローチの啓蒙期に出会えてラッキーだったです。うん。
監査論というよりも、これは教育面で役立つなと感じたのは、監査を離れてからでした。
教える側が、教わる側の誤解がどうやって生じるか意識しない限り、この誤解は発見されませんから。
あるいは、繰り返し生じてしまい、最後は、教わる側の能力のせいにするしかなくなる。
もちろん、それがゼロという気はないのですが、多くはその手前の作業不足だと実感します。
そして、そのためには、自分が教える内容を、自分で検証してみることが大事です。
実は論理的に繋がっていない説明を堂々と教える「学問」「実務」て、結構多いので。
それを聞く側が分からないのって、ある意味当然です。
自分が正しい、だからわからないのは相手が悪い、という教師は、最悪の教師なのでしょう。
で、蛇足ですが。
教える側が熱意を持っていても、相手が応えてくれるかどうか。
あるいは相性の問題もあるので、教える側が全て悪いというつもりはありません。
実際、世の中にはめぐり合わせというのもありますから。
ただ、そこまで網羅して語る暇あるほどには、人生長くないんですよね。
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