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2023/01/15

一般市民を愚弄した「ヤマザキパンはなぜカビないか」長村洋一教授

一般市民を愚弄した「ヤマザキパンはなぜカビないか」長村洋一教授

 下記ツイッターで知って、へーでした。


Offside@yfuruse
ヤマザキパンがカビず、自宅で焼いたパンがすぐカビるのは、添加物の差ではなく、自宅が衛生的ではないからです。
cf.
一般市民を愚弄した「ヤマザキパンはなぜカビないか」
https://jafaa.or.jp/pdf/kyokai/1004tokubetu_nagamura.pdf

 (略)

午前8:54 2023年1月10日
https://twitter.com/yfuruse/status/1612598834454228993?cxt=HHwWgsDTzZKGjeEsAAAA


 デマだろうとは思いつつも、具体的な反証ってどうなんだと。
 その意味で、大変勉強になりました。

一般市民を愚弄した「ヤマザキパンはなぜカビないか」
鈴鹿医療科学大学 教授 長村 洋一
https://jafaa.or.jp/pdf/kyokai/1004tokubetu_nagamura.pdf


 ここまでの理論展開は一見理屈が通っている。しかし化学の世界で毒性を論ずるときに忘れてならないのは“量”の概念である。(略)すなわち、臭素酸カリウムはパンに残っていてはいけないのである。実際に厚生労働省は現在 0.5ppb 以下の含有については含まれていないと認めている。それは、現在の科学技術における検出技術では 0.5ppb 以下の量が検出できなく、さらにこの量で健康被害は発生しないと類推するのに十分な幾つもの科学的データがあるからである。(略)

 著者は科学的知識のある人から量の問題の指摘の可能性を意識してか、ヤマザキパンでは品質管理が十分行われていない可能性があるので実際には基準値を超えた量が入っているかもしれない、という仮定的な表現を使って危険性を論じている。しかし、品質管理が十分でないと言う会社にとっては生命線に触れるような重大なことを主張するに当たっては、仮定であるとしても少なくとも著者自身で測定した結果、または納得の行く文献的なデータを付記するのが実験に基づく主張の在り方である。さもなければ、この表現は風評被害の根源となる可能性がある大変失礼な主張である。


 なるほど。
 まぁ、恣意的な実験や解釈は、ワクチン騒動でも見られましたね。


 消費者には「カビよりも保存料の方が怖い」という心理があることは私も多くの市民講座の経験から確かに感じている。しかし、カビが生えていた食品を食べてもすぐにはがんにならないので、その怖さは実感できないが、保存料等にはある一定量を越えたときには明確な毒性のデータがありそれを盾に安全論者は危険性を大きく騒いでいる。それ故に「カビよりも保存料の方が怖い」という消費者心理が形成されている。しかし、今回の調査を通してカビには想像以上の危険性が潜んでいる可能性を強く感じた。


 カビの怖さについては、確かに意識していない人多いかもしれません。
 冷蔵庫が発達したことも影響しているのかもですが。

 で、更になるほどが「発がん物質にも閾値がある」。


発がん物質にも閾値がある

 そのほかに寄せられた疑問として「先生は 0.5ppb 以下の臭素酸カリウムが絶対発がんに関係しないと言い切れるか」という問い掛けがあった。科学に携わる者として「絶対」という言葉は禁忌であるので、100%とは言えないが、限りなくゼロであるとは言い切れる。それは、近年の研究において発がん物質には閾値がないという見解が崩れているからである。すなわち、発がんと言うような遺伝子の変異に起因する疾患は量がどんなに少なくなっても少ないなりに用量依存的に発がん作用がある、という考え方が一般的であったが、その考え方が訂正されてきたという事である。

まだ、多くの研究者とまでは言えないが、発がん物質がある濃度以下になると全くその前兆的反応すらなくなることが証明されている。実際に動物実験により長期投与で幾つかの発がん物質について証明されている。臭素酸カリウムにおいてもすでに実験による報告があり、その閾値は125ppm とされているのでこのパンで問題にされた 0.5ppb の 25 万倍の濃度である。従って動物実験の結果ではあるが、この濃度では何も起こらないことが証明されている。ちなみに、日本の水道水では臭素酸は 10ppb 以下が許容値であり、米国のパンは 20ppb までの残留が認められている。


 「万が一」があるので「絶対」は言えないとしても。
 科学的な有意という意味では、ほぼ絶対という意味で理解できるという意味なのでしょうね。

 このあたり、リテラシーがある人とない人とで断絶が起きそうですが。
 しかし、避けては通れないのが、現代という複雑性の時代なのでしょうね。

パンのカビ発生メカニズムと保存試験の結果について ヤマザキ
https://www.yamazakipan.co.jp/oshirase/index.html

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