数学を使わない数学の講義 その2 第2章 数学的思考とは何か
数学を使わない数学の講義 その2 第2章 数学的思考とは何か
数学を使わない数学の講義
小室直樹
ワック 2005年5月5日初版発行
https://www.amazon.co.jp/dp/4898310826/
kindle版
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BQHRVJ5D/
続きです。
第2章 数学的思考とは何か、は集合論の重要性。
全空間に対する部分集合と、その部分集合に属さない補集合について理解しているか。
現代数学では、ロジックと集合は同じものだと(P70)。
これを踏まえ、日本は「無規範」だという。
これは、規範がないというのではなくて、論理に従う規範がないと。
つまり、予測可能性がないという意味での無規範だというのですね。
契約書も、違反時の処理が不明確で、本来の契約と言えない(P78)。
日本には、「そもそも規範がない」のだと(P80)。
諸外国は、「規範はあるがそれを守らない」というのはあるが。
規範そのものは明確に存在していると。
このあたりの理解の違いが、外交音痴である点にも繋がっていると。
日本の政治家が信用されないのは当然だろうと(P88以下)。
日本の法制度そのものも、おかしいと。
裁判所の機能の一部を警察や検事が担っているだろうと(P113以下)。
なるほど、確かに、制裁するかどうかを、裁判所ではなくて。
手前の警察や検察が決定権持っているのは、言われれば異常ですね。
ただ、これが日本的行政の特質かなという気もします。
行政が一定の裁量権持っていることは、ある意味当然だと。
とはいえ、諸外国の考え方から言えば、やはり異質でしょうね。
法律で禁止されていないことは何やってもいい、が近代法だというのなら(P118)。
そして、民法こそが近代法として、全ての法律の基本だと(p126)。
弁護士も検事もattorney(代理人)だというのも、当事者対等だから。
対して、古代社会では、基本法は刑法で、市民法の性格がなかったと(P131)。
公認会計士の話(P132)も面白いのですが、ここでは省略。
そして、近代所有概念について3つの特徴があると(134以下)。
3つ目の「直和性」というのは、言われてなるほどです。
これはまさにこれまで説明された、集合論の考え方なのでしょうね。
部分集合と補集合との区別がついているか、と。
ここから更に、外交の話に戻って、諸外国においては。
敵と味方をはっきりと区別する、これは直和分解だと(P138以下)。
続きます。
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