火災保険元調査員が全国で保険金目的の放火を繰り返しか_産経新聞
火災保険元調査員が全国で保険金目的の放火を繰り返しか_産経新聞
200万円の岐阜の古民家、火災保険で7300万円に焼け太り エース調査員の黒い錬金術
産経新聞 2025/10/15 18:44 倉持 亮
https://www.sankei.com/article/20251015-5T7K4VXANJL7HEJZQEY4ARFZZY/
農業協同組合(JA)が共済契約による詐欺に引っかかった事件なのですね。
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岐阜県警によると、(略)容疑者らは4年5月に木造2階建ての古民家を200万円で購入。建物だけで最大6千万円を保障する共済契約を地元の農業協同組合(JA)と結んだ。
その3カ月後、古民家に放火して延べ約300平方メートルを全焼させ、保障の満額に加え、片付け費用や見舞金などを受け取ったとされる。JAからの委託で火災原因を調べたのは損保リサーチ社。(略)容疑者は当時まだ同社に在籍していたが、調査は別人が担当した。
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産経新聞の記事タイトル通り、まさに錬金術ですね。
で、記事では、この錬金術が可能になった背景について、保障額の設定方法を解説。
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なぜ200万円で買った古民家に高額な共済をかけることができたのか。実は火災共済や火災保険では、保障(補償)額を時価で決めてしまうと、建て替えの費用がまかなえない事態が生じうる。そのため、保障額を再取得価額で決める方法が一般的になっている。
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そして、再取得価額は、対象物件が建築時の建築費等を参考にするものの。
不明の場合は、平米当たり建築単価に面積を乗じて計算するのだと。
しかし、築年数が古い物件だと、実際購入額と保障額に乖離が生じてしまう。
保険詐欺に使われる危険性が高いわけですね。
大手損保だと「購入額の数十倍を支払うことになるような契約は、自社なら受けない」のだと。
では、JAの場合は、こういう対応しなかったのかですが。
"「時価が再取得価額の50%未満の場合、加入限度額は時価」との基準を設けている"のだと。
ところが、ここでいう「時価」が曲者で、市場価格そのものではない。
再取得価額から経過年数に応じた償却費を控除して計算したものを時価としているのですね。
結果、JAの場合、購入額が共済契約締結上の障害にならなかった。
「購入額が200万円だった岐阜の古民家も、計算上の時価では「再取得価額の50%未満」という要件に該当しなかったとみられる。」
なるほど、再取得価額と現在の購入可能額との乖離が大きな物件を狙えばよい。
ある程度経験がある人間だと、やりやすいわけですか。
で、実際に犯行グループは、各地JA共済で同様の事件を繰り返していたと。
これ、他にも同様の事件で発覚していないものがあるのかもですね。
さて、記事では最後に、損保契約について中央大学平澤敦教授のコメントを掲載。
その中で、平澤教授は、損害保険における火災保険の特殊性を指摘。
「実際の損害ではなく、再取得価額までをカバーする火災保険は、損害保険の中でも特殊な契約だ。」
損害保険の中でも鬼っ子なんですね、なるほど。
損害保険契約制度を理解する際の視点として、覚えておきたいな。


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