カテゴリー「数学・算数」の7件の記事

2024/01/13

相談先「聞いたことなか」 悩んだ末に妻殺害 入院費工面できず_毎日新聞

相談先「聞いたことなか」 悩んだ末に妻殺害 入院費工面できず_毎日新聞

相談先「聞いたことなか」 悩んだ末に妻殺害 入院費工面できず
毎日新聞 2023/12/30 12:00(最終更新 12/30 12:50) 2583文字
https://mainichi.jp/articles/20231230/k00/00m/040/057000c

「前田被告は21年2月に退職し、以降は夫婦で月16万円あまりの年金で暮らした。家賃と駐車場代で月約3万円。夫婦のたばこ代が月約6万円かかった。妻はたばこを「やめない」と言い、前田被告もやめなかった。金銭管理は妻がしていたが、21年末からたびたび家賃を滞納するようになった。そのたびに前田被告が親族からの借金などで支払った。」

 老夫婦がどこにも相談できなかったことが問題だという記事の基調ですが。
 多分そうではなく、経済的意思決定能力の欠如が根底にあるのかなと。

 年金収入16万円の中から、タバコ代6万円を支出することの意味がについて。
 決定的に理解を欠いていたということが、問題の本質なのですから。

 企業会計ではなく、家計的な意味での金銭管理知識について。
 義務教育課程やその後の段階で習得させることが、現代社会では必須。

 そこに手を付けない限り、社会的問題としては完治しないでしょうね。

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2024/01/12

お小遣い長年未納です。「請求書」送りました…中1の数学自由研究、最優秀賞の出来栄えにお父さんは舌を巻く_南日本新聞

お小遣い長年未納です。「請求書」送りました…中1の数学自由研究、最優秀賞の出来栄えにお父さんは舌を巻く_南日本新聞

お小遣い長年未納です。「請求書」送りました…中1の数学自由研究、最優秀賞の出来栄えにお父さんは舌を巻く
南日本新聞 2024/01/08 08:15
https://373news.com/_news/storyid/188127/

「「お小遣いが長年未納のため、以下の通りご請求いたします」。鹿児島市の鹿児島大学付属中学校1年、川原千鶴さんは昨夏、父親の正行さん(44)に1枚の請求書を手渡した。記されていたのは未払い期間の合計ではなく、工夫して計算した遅延金を含めた総額。切実な思いで取り組んだ成果は、第11回「算数・数学の自由研究」作品コンクール(理数教育研究所主催)の中学校の部で最優秀賞に選ばれた。」

「研究のタイトルは「父への請求書発行」。千鶴さんは小学6年の4月から中学1年の8月までの17カ月間、毎月の約束だったお小遣いをもらえなかった。父親に催促しても、「そのうちね」とはぐらかされるばかり。」

「請求書を受け取り、遅延金の説明を受けた正行さんは、「それまでは聞き流していた。よく調べており、文句なしの出来栄え」と舌を巻く。千鶴さんは、「動揺しながらも払ってもらえた。最近また滞っているので、次はまた新たな請求方法を考えたい」と話している。」

 舌を巻くって……。

 お父さん、いろいろと恥ずかしくないのかしら。
 まぁ、その分娘さんが光るんでしょうけど。

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2023/09/29

数学を使わない数学の講義 その5 第5章 「常識の陥穽」から脱する方法

数学を使わない数学の講義 その5 第5章 「常識の陥穽」から脱する方法

数学を使わない数学の講義
小室直樹
ワック 2005年5月5日初版発行
https://www.amazon.co.jp/dp/4898310826/

kindle版
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BQHRVJ5D/

 続きです。

 第5章 「常識の陥穽」から脱する方法で、数量化が意味を持つには条件があると。

「「俺は、柔道三段、空手四段、将棋三段だから、合わせて十段だ」などというのも、冗談としてはおもしろいが、その段数を合計すること自体にはなんの意味もない。つまり、数量化してあれば、異質のもの同士の比較ができるというのは、思い違いにしか過ぎないことは、これでおわかりいただけよう。」(P245)

 これ、まさに似たような話を、大学時代の理系の友人としました。
 彼は、人間の感覚を数量化して測定できれば、いろんな比較ができるだろうと。

 しかし、私は、その感覚が同様である前提が成立しないから、意味がないだろうと。
 彼は不満げでしたが、当時の私が言いたかったのも、上記の話です。

 ただ、理系の人間は、総じてこのような発想の人が少なくない気がします。
 いや、私がそう感じているだけかもしれませんけれど。

 そして、経済学で出てくる合成の誤謬の説明が出てきますが。
 手前で、考え方の基本の説明があります。

「すなわち、全体の命題が部分の命題にすべて成り立つ場合と、全体の命題が部分の命題には成り立たない場合とがあるのである。では、それはいかなる違いなのか。実は、ある集合に関する命題には、集合の個々の要素に関する命題と、集合全体に関する命題の二種類があるのである。」(P261)

 これは、本当に、知らない人は、全く話が通じないわけですね。
 経済学を学べば、何故マクロ経済学が必要かという話で理解するわけですが。

 ただ、話が通じない人たちに、勉強しろと言っても、火に油ですし。
 小室先生の言う通りではありますが、人間社会はなかなか厄介ですよね。

 ということで、久々に小室節を読んでみて。
 この人の本は、読むべき価値があったなと、かつて読んだ自分を褒めてあげたい。

 もちろん、今の皆さんにも是非読んでほしい本ですね。

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2023/09/28

数学を使わない数学の講義 その4 第4章 科学における「仮定」の意味

数学を使わない数学の講義 その4 第4章 科学における「仮定」の意味

数学を使わない数学の講義
小室直樹
ワック 2005年5月5日初版発行
https://www.amazon.co.jp/dp/4898310826/

kindle版
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BQHRVJ5D/

 続きです。

 第4章 科学における「仮定」の意味で、科学とそれ以外との違いを問う。

「それでは、科学的知識と、それ以外との知識との根本的な違いは何か。それは、科学的知識に限っては、公理主義によって出現したものなのだから、その知識がどんな仮定によって出てきたものかわかることである。」(P205)

 残念ながら、日本では、科学を誤解している人たちが多いですね。
 そして、ブードゥーの世界に引きずり込もうとしている人たちが少なくない。

 もちろん、日本以外も、そういう人たちっているのですが。
 諸外国は、自分たちの利益のために、そういう行動をしている人たちが多くて。

 日本では、必ずしもそうではない、あるいはそう思っていない人たちが多くて。
 かえって問題を厄介にしていると感じますね。

 そして、この章で印象的なのはもう1つ。
 相手の批判とは、相手の学説の継承であると(P232)。

 確かに、いいとこどりをせず、相手の説を根底から批判すれば。
 結果的に、それをオーバーライドせざるを得ないのでしょうね。

 もちろん、程度の大小はあるでしょうし。
 また、全部じゃなくとも継承と言えることもあるかもしれない。

 つまり、ある程度の部分が系として独立していれば。
 全部じゃなく、その部分だけの継承はあり得るでしょう。

 要するに、つまみ食いにならないよう、体系として取り込んだうえで。
 おかしな部分をメンテして自分のものにすれば、それは継承なのでしょう。

 考えてみれば、学問って、常にそういうものかもしれませんね。

 続きます。

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2023/09/27

数学を使わない数学の講義 その3 第3章 矛盾点を明確に掴む法

数学を使わない数学の講義 その3 第3章 矛盾点を明確に掴む法

数学を使わない数学の講義
小室直樹
ワック 2005年5月5日初版発行
https://www.amazon.co.jp/dp/4898310826/

kindle版
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BQHRVJ5D/

 続きです。

 第3章 矛盾点を明確に掴む法は、必要条件と十分条件との峻別がテーマ。
 ここは、必要条件・十分条件につき、もう少し定義をはっきり書いてほしかったかな。

 で、ベン図で理解する下記が分かりやすいと思います。

十分条件・必要条件【超わかる!高校数学Ⅰ・A】~授業~論理と集合#16 - YouTube - 超わかる!授業動画
https://www.youtube.com/watch?v=CltFYLDV5sM

「十分条件・必要条件のポイントは!
・ある命題に対して,矢印の向きを逆にしたものを「逆」という!
・p ⇒ q が真であることを p は q であるための十分条件という!
・p ⇒ q の逆が真であることを p は q であるための必要条件という!
・p ⇒ q とその逆がいずれも真であることを,必要十分条件という!」

 こちらを踏まえると。

 十分条件は、全体集合に入るための部分集合の条件。
 それでなくても、全体集合に入るルートはあり得るわけですが。

 その部分集合であることで、全体集合に入れることが保証されている。
 人間であることは、哺乳類であるための十分条件であると(P147)。

 上記動画「p ⇒ q が真であることを p は q であるための十分条件という」は。
 p=「人間である」q=「哺乳類である」となるわけですね。

 ベン図で言えば、qがpよりも大きい場合、pはqの十分条件だと。

 次に、必要条件とは、その中の部分集合に入るための条件。
 最低限、そこを満たさないと、その中の部分集合を満たせない。

 P146の例で、入国のためには、パスポートが必要条件だというのはどうか。

 動画の「p ⇒ q の逆が真であることを p は q であるための必要条件という」は。
 p=「パスポートがある」q=「入国できる」で確認してみると。

 パスポートがないと、入国できないですね。
 だから、逆が真ですから、確認できたことになります。

 ベン図で言えば、pがqよりも大きい場合、pはqの必要条件だと。

 他の条件が必要かどうか、というのはまた別にして。
 それが条件満たさなければダメというのが、必要条件。

 逆が真になる、ということはそういうことですものね。
 これは、法律でいうところの要件だと言えるでしょう。

 更に、プログラムのifで記載される部分だと。
 プログラムだと、true/falseで判断するので、必ず、必要条件になる。

 と理解していいのかなと。
 違ってたら、誰か指摘してねですが。

 で、本に戻ると、面白かったのは、内面の自由の話(P178)。
 欧米では、内面の問題と外面の問題が、理念的には、はっきり二分されていると。

 これが日本だと区別されていないので、面従腹背だと首がとぶと(p181)。
 日本では、外面と内面とを揃えないと嫌われるというわけです。

 しかし、欧州での君臣関係の基本は、外面的行動で、主君の契約を守ればよい。
 面従腹背で、全く問題ないのだと。

 このあたり、根本的に、日本の発想と違いますね。
 同じ制度を使っていても、根本が違い過ぎるなと改めて感じます。

 続きます。

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2023/09/26

数学を使わない数学の講義 その2 第2章 数学的思考とは何か

数学を使わない数学の講義 その2 第2章 数学的思考とは何か

数学を使わない数学の講義
小室直樹
ワック 2005年5月5日初版発行
https://www.amazon.co.jp/dp/4898310826/

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 続きです。

 第2章 数学的思考とは何か、は集合論の重要性。
 全空間に対する部分集合と、その部分集合に属さない補集合について理解しているか。

 現代数学では、ロジックと集合は同じものだと(P70)。
 これを踏まえ、日本は「無規範」だという。

 これは、規範がないというのではなくて、論理に従う規範がないと。
 つまり、予測可能性がないという意味での無規範だというのですね。

 契約書も、違反時の処理が不明確で、本来の契約と言えない(P78)。
 日本には、「そもそも規範がない」のだと(P80)。

 諸外国は、「規範はあるがそれを守らない」というのはあるが。
 規範そのものは明確に存在していると。

 このあたりの理解の違いが、外交音痴である点にも繋がっていると。
 日本の政治家が信用されないのは当然だろうと(P88以下)。

 日本の法制度そのものも、おかしいと。
 裁判所の機能の一部を警察や検事が担っているだろうと(P113以下)。

 なるほど、確かに、制裁するかどうかを、裁判所ではなくて。
 手前の警察や検察が決定権持っているのは、言われれば異常ですね。

 ただ、これが日本的行政の特質かなという気もします。
 行政が一定の裁量権持っていることは、ある意味当然だと。

 とはいえ、諸外国の考え方から言えば、やはり異質でしょうね。
 法律で禁止されていないことは何やってもいい、が近代法だというのなら(P118)。

 そして、民法こそが近代法として、全ての法律の基本だと(p126)。
 弁護士も検事もattorney(代理人)だというのも、当事者対等だから。

 対して、古代社会では、基本法は刑法で、市民法の性格がなかったと(P131)。
 公認会計士の話(P132)も面白いのですが、ここでは省略。

 そして、近代所有概念について3つの特徴があると(134以下)。
 3つ目の「直和性」というのは、言われてなるほどです。

 これはまさにこれまで説明された、集合論の考え方なのでしょうね。
 部分集合と補集合との区別がついているか、と。

 ここから更に、外交の話に戻って、諸外国においては。
 敵と味方をはっきりと区別する、これは直和分解だと(P138以下)。

 続きます。

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2023/09/25

数学を使わない数学の講義 その1 第1章 論理的発想の基本

数学を使わない数学の講義 その1 第1章 論理的発想の基本

数学を使わない数学の講義
小室直樹
ワック 2005年5月5日初版発行
https://www.amazon.co.jp/dp/4898310826/

kindle版
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BQHRVJ5D/

 20年近く前に読んでいる筈なのですが。
 最近、また気になって、中古で買いました。

 買ったらkindle本あることが分かって。
 まぁ、そちらもポチりましたけど。

 読み直すと、いろいろ再確認。
 覚えていることもありましたが、再確認含めて良かったなと。

 初版は昭和56年だそうですが。
 私は、多分、平成17年のワック版で初めて読んだと思います。

 以下、各章を読み直してのメモ。

 第1章 論理的発想の基本は、存在問題の重要性。

 本来、そもそもの前提を確認しないと、全て無駄になるわけですが。
 存在していない可能性が念頭にない人って、少なくないんですよね。

 で、今回読み直して、確認できたのは、存在問題はその先があるという話。

「ここで、もう一度、存在問題を要約してみると、存在問題には二つあって、一つは果たして存在するのかどうか。もう一つは存在するとして、与えられた方法で解を見つけることができるかどうかということである。そして、この二つは、別な問題だということ。つまり、存在するとしても、与えられた方法では解は求め得ないといった皮肉な結果も、十分生じ得るということだ。」(P47)

 1つめは、昔からよく言っているので、認識できていますが。
 2つめは、実体験でよくわかっている、ということで言語化まではしてなかった。

 それを再認識できた、という意味で有意義でした。

 続きます。

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