数学を使わない数学の講義 その3 第3章 矛盾点を明確に掴む法
数学を使わない数学の講義
小室直樹
ワック 2005年5月5日初版発行
https://www.amazon.co.jp/dp/4898310826/
kindle版
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BQHRVJ5D/
続きです。
第3章 矛盾点を明確に掴む法は、必要条件と十分条件との峻別がテーマ。
ここは、必要条件・十分条件につき、もう少し定義をはっきり書いてほしかったかな。
で、ベン図で理解する下記が分かりやすいと思います。
十分条件・必要条件【超わかる!高校数学Ⅰ・A】~授業~論理と集合#16 - YouTube - 超わかる!授業動画
https://www.youtube.com/watch?v=CltFYLDV5sM
「十分条件・必要条件のポイントは!
・ある命題に対して,矢印の向きを逆にしたものを「逆」という!
・p ⇒ q が真であることを p は q であるための十分条件という!
・p ⇒ q の逆が真であることを p は q であるための必要条件という!
・p ⇒ q とその逆がいずれも真であることを,必要十分条件という!」
こちらを踏まえると。
十分条件は、全体集合に入るための部分集合の条件。
それでなくても、全体集合に入るルートはあり得るわけですが。
その部分集合であることで、全体集合に入れることが保証されている。
人間であることは、哺乳類であるための十分条件であると(P147)。
上記動画「p ⇒ q が真であることを p は q であるための十分条件という」は。
p=「人間である」q=「哺乳類である」となるわけですね。
ベン図で言えば、qがpよりも大きい場合、pはqの十分条件だと。
次に、必要条件とは、その中の部分集合に入るための条件。
最低限、そこを満たさないと、その中の部分集合を満たせない。
P146の例で、入国のためには、パスポートが必要条件だというのはどうか。
動画の「p ⇒ q の逆が真であることを p は q であるための必要条件という」は。
p=「パスポートがある」q=「入国できる」で確認してみると。
パスポートがないと、入国できないですね。
だから、逆が真ですから、確認できたことになります。
ベン図で言えば、pがqよりも大きい場合、pはqの必要条件だと。
他の条件が必要かどうか、というのはまた別にして。
それが条件満たさなければダメというのが、必要条件。
逆が真になる、ということはそういうことですものね。
これは、法律でいうところの要件だと言えるでしょう。
更に、プログラムのifで記載される部分だと。
プログラムだと、true/falseで判断するので、必ず、必要条件になる。
と理解していいのかなと。
違ってたら、誰か指摘してねですが。
で、本に戻ると、面白かったのは、内面の自由の話(P178)。
欧米では、内面の問題と外面の問題が、理念的には、はっきり二分されていると。
これが日本だと区別されていないので、面従腹背だと首がとぶと(p181)。
日本では、外面と内面とを揃えないと嫌われるというわけです。
しかし、欧州での君臣関係の基本は、外面的行動で、主君の契約を守ればよい。
面従腹背で、全く問題ないのだと。
このあたり、根本的に、日本の発想と違いますね。
同じ制度を使っていても、根本が違い過ぎるなと改めて感じます。
続きます。
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