追悼・安倍晋三元内閣総理大臣_外交WEB
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外交WEB 号外特別企画
◎追悼・安倍晋三元内閣総理大臣
安倍外交」を自ら語る
上・日本復活の礎となった日米同盟再強化
中・「自由で開かれたインド太平洋」にみる戦略的思考
下・トランプ大統領を国際協調につなぎとめた直談判
完・官邸外交を支えた組織・人・言葉
http://www.gaiko-web.jp/
安倍さんが、こんなテロのような形でいきなり亡くなってしまう日が来るとは。
想像もできませんでした。
私は、彼の政策すべてを、必ずしも評価していたわけではありませんが。
第一次安倍政権の失敗を活かした政権運営は周到だなと思っていました。
で、トランプとの繋がりについては。
外務省の言うことを聞かなかったのが良かった、ということなのですかね。
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安倍 (略)二〇一六年の選挙は、外務省を含め大方の予想は「ヒラリーで間違いない」というものでしたから(笑)、早い段階で日程は決まっていました。しかし彼女との面会が近づくにつれて、私も政治家なので、選挙は何があるかわからない、と思い直しました。ショートノーティスで断られるかもしれないが、トランプ氏にも会いたいと陣営に打診しました。残念ながらトランプ氏のスケジュールは埋まっていましたが、友人の弁護士ということでウィルバー・ロス氏を紹介され、彼と面会しました。(略)
当選直後にトランプさんに会おうと思ったのは、彼が選挙キャンペーンで日本に対し厳しい発言を繰り返していたので、日米同盟が漂流するようなことはあってはならない、彼の誤解を早めに解いておく必要がある、と考えたのです。
(略)
安倍 就任前だし、どうしてわざわざ行くんだという批判はありましたが、厳しいときだからこそ行こうと思いました。
(略)
トランプさんにとっては思うところがあったようです。彼は国内外から異質な人物として見られていて、そのことに不満を持っていたはずです。そこにG7メンバーである日本の首相が早々に会いに来た。それを彼は多としたのだと思います。
http://www.gaiko-web.jp/test/wp-content/uploads/2022/07/Vol64_p6-15_Special-Interview_Part_I.pdf#page=5
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良くも悪くもトランプはトランプ。
しかし、安倍さんと出会えたことで、トランプは良い方向に変わるチャンスを得た。
私には、そのように思えます。
もちろん、まだまだ不足ばかりというか、問題児であることは変わっていませんが。
米政権の今後がどうなるかわかりませんけれど。
あと、スピーチライターの存在に力点置いたのが、安倍政権の特徴だと。
これを自身が言明されているのは、非常に注目すべき点ですね。
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安倍 安倍政権の特徴は、スピーチライターを置いたことです。 スピーチライターがいないと、 演説は各省が持ち寄った文章のつぎはぎとなり、結果として事実や実績を並べただけの「資料」になりがちです。政治家としては、聴衆のハートに刺さる、思考を揺るがすような演説をしたい。特に国際的な舞台では、日本の存在感を高めていかねばなりませんから、なおさらそうです。
海外の主要な演説については、谷口智彦さんが書かれました。演説を準備する段階において、谷口さんは私と対話を重ねて、時に私の人生に分け入りながら、さまざまなエピソードをくみ取りつつ、私の主張を十二分に伝えるような原稿を書きます。
http://www.gaiko-web.jp/test/wp-content/uploads/2022/07/Vol67_p100-105_special_interview_part_IV.pdf#page=4
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安倍さんに心からのお悔やみを申し上げたいと思います。
世界への発信力を持った政治家が、日本に次に現れるのは、いつなのでしょう。
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