「ふるさとは遠きにありて思ふもの」(室生犀星)
「ふるさとは遠きにありて思ふもの」(室生犀星)
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小景異情 その二
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食かたゐとなるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや
抒情小曲集 室生犀星(青空文庫)
https://www.aozora.gr.jp/cards/001579/files/53241_49665.html
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ふるさとは、望郷の念を抱かせる存在だ。
ただ、それへの向き合い方は、人によって異なる。
大好きでも戻れない場所、というのはある。
ふるさとがそうだ、ということも少なくはないだろう。
自分の生誕の地としてのふるさとは今いる場所だけれど。
これまでの自分を育んでくれたのは、当地だけではない。
その意味で、自分にはふるさとは1つではないと思うことがある。
その場所に、いつか戻れる日が来るのだろうかとも。
ただ、それは全て神の配剤なのだろう。
日々、自分なりに、一生懸命生きていくしかないと思っている。
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