「人はなぜ不倫をするのか」亀山早苗 その1
SB新書
「人はなぜ不倫をするのか」亀山早苗
SBクリエイティブ株式会社 2016年8月15日初版第1刷発行
なんでお前が不倫のことが気になるんだ、というツッコミはさておいて。
いや、人間の行動原理の根本に繋がる気がするんですよね。
で、実際、著者もそう考えたのだと思います。
そして、自説を説くのではなく、学者を中心とした専門家に話を聞いている。
昆虫学(丸山宗利)・動物行動学(竹内久美子)・行動遺伝学(山元大輔)
これらの学者に聞く話は、動物としての人間という視点で、面白い。
共通するのは、むしろ、不倫するのは、種としての本能レベルの欲求だと。
人間の倫理観を除けば、全くおかしなことではない、という話。
もちろん、不倫万歳と言いたいわけではないのですが。
あと、上野千鶴子にも、ジェンダー研究ということで話を聞いているのですね。
この人の話は、参考にならないけど、面白かった(省略)。
また、宗教学(島田裕巳)・心理学(福島哲夫)からも話を聞いている。
この中で、島田氏の宗教論は、非常に面白かった。
これだけでも、この本は買いかもしれない。
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私はいつの日にか宗教がなくなるのではないかと思っています。
実際にヨーロッパでは、キリスト教離れが加速しているんです。
1985年には、日曜日にミサに通っていたフランス人は35%でした。ところが、2004年にはわずか5%になっています。2014年には0.9%しかいないという調査もあります。
子どもに洗礼を授ける割合も、ここ50年で90%から60%にまで減少しています。
(P101)
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これ凄い数字です。
そして、P102でもあるように、彼らの無宗教は日本人とは違う。
イザヤベンダサンでも語られたように、日本は無宗教と言いつつ。
しっかりと、宗教行事が日常に組み込まれている。
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でもフランスの場合はそうではありません。無神論者ならまったく神とは関わりをもたなくなる。(略)だから、日本の「無宗教」とは意味合いが違うのです。
(P102)
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更にショッキングな話。
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2015年、ドイツではカトリック教会について衝撃的な数字が発表されました。2014年にカトリック教会を正式に離脱した人の数が、20万人以上にのぼったというのです。その前年は18万人弱の人が離脱しています。(P102)
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今、一体、世界では、いや欧州キリスト教圏では何が起きているのか。
うーん。
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